長く着たい、良いもの

原宿の小さなマンションで誕生したLENO（リノ）。
LENOのものづくりはビンテージを元に製造時の歴史や背景を紐解くところから始まります。
生産の過程や素材の風合い、なぜそのようなデザインになったのかまで深く掘り下げている。
さらにLENOの場合はビンテージのアイディアソースをそのまま表現しているかというと、少し違う。
一度、紐解いてからLENOというフィルターを通して再構築されている。
そしてそのフィルターが着る人を引き立てている。
ビンテージがベースでありながら武骨さがなく、しなやかでカッコいい。
だから、LENOのアイテムは現代にもよく似合い、トレンドに左右されないんだと思います。


このフーディもそんじょそこらのフーディとは一味も二味も違う。
使用したスウェット地は1時間に1mほどしか編立ができない国内の希少な釣り編み機で編みたてたもの。
ゆっくりと空気を含みながら編みたてられた生地は、肉厚だけどふっくらとした風合い。

新品の鮮やかなレッドとブルー、新鮮なホワイトも素敵。
でも、着こめば着こむほど立体感が生まれヴィンテージの様な風合いを楽しむことができる。

特徴的なのは、1940～50年代に用いられていたフリーダムスリーブ。
当時、球技でスローイングしやすいように考案されたアスレチックウェアをデザインソースに、肩の縫製がS字の様に滑らかな曲線を描いている。
縫製するのは技術が必要な手間のかかる仕様だけど、ストレスを感じにくく着心地は抜群だ。

袖や裾のリブには輪編みリブを採用。
輪っかリブと呼ばれる仕様で、つなぎ目がないから滑らかで摩擦を感じにくい。

生地もディテールも、着心地を良くするために一切の妥協を許さない。
それは、しっかりとした肉感を感じながらも、ふんわりとくるまれるような着心地。
生地だけでなく、肩周りやリブに至るまであらゆる引っ掛かりが取り払われ、どこをとっても滑らか。
服を着ているというよりは、バスタオルにくるくるっと包まれた様な心地よさを感じることができる。


フーディは1940年代初期に作られていたヴィンテージがモチーフ。
クルーネックのスウェットを完成させてから、フードを後から縫い付けたユニークなデザイン。
まるでリメイクされた様なシンプルなのに、キャッチーな仕上がりだ。
このデザインだからこそ、タップリとしたフードなのに後ろに引っ張られるような感覚がない。
嵩張りを感じにくいのに、前から見たときもフードのインパクトは十分。
これまた通常のフーディに比べれば手間がタップリとかかっているけど、その価値は存分に発揮されている。

スウェットのフーディは珍しいアイテムではない。
でもこれは、一目でその違いが分かる。
決して奇をてらったデザインではないのに、そこには確かな個性がある。
おまけに、着心地への追及は格別に繊細だ。
長く、良いものを着たいなら、まずこのフーディは間違いないアイテムだ。