引き算の美学

原宿の小さなマンションで誕生したLENO（リノ）。
LENOのものづくりはビンテージを元に製造時の歴史や背景を紐解くところから始まります。
生産の過程や素材の風合い、なぜそのようなデザインになったのかまで深く掘り下げている。
ビンテージを元にしているブランドは、メンズブランドが多くレディースらしいデザインは意外と少なかったりする。
LENOの場合は、ビンテージのアイディアソースをそのまま表現しているかというと、少し違う。

一度、紐解いてからLENOというフィルターを通して再構築されている。
そしてそのフィルターが完全に女子目線なのが新しい！
ビンテージがベースでありながら女性らしい柔らかな雰囲気を醸し出している。
だから、LENOのアイテムは現代女性にもよく似合い、トレンドに左右されないんだと思います。

ビンテージ好きもファッション好きも夢中にさせるLENO。

このアノラックパーカにもそんなLENOのエッセンスが詰め込まれている。
ベースとなったのは、登山の際に防寒着やレインウェアとして着用されてきたマウンテンパーカ。
それをLENO独自のフィルターを通し再構築している。
今回の再構築は、そぎ落としとディテールの作り込みが特徴的だ。
カラバリはBLUE、CHARCOAL、IVORYとちょっとポップでアイシー。
都会的な雰囲気に仕上がっている。

生地は撥水加工を施したナイロン地。
自然なシワ感は、シャカシャカし過ぎずマットな仕上がり。
しっかりとした中厚地は春や秋などのアウターとして使い勝手抜群だ。

裾はゴムが入っていて、絞ることができる。
フロントジッパーは高級ジッパーに分類されるであろうフランスのriri（リリ）。
しかも開閉時にファスナーが生地を挟まない様に立体的に仕上げ、裏返したときにもパイピング処理が施されている。
服の原価は色々な資材や縫製の積み重ね。
こういうディテールにかかる原価を削っていけば、安く作ることができる。
安く作ることができれば利益も確保できるし、安い方が売りやすい。
でも、商品の風格はこのディテールによって大きく左右される。
だからLENOはそこまでこだわるのだ。

マウンテンパーカをベースにしたものは山ほどある。
だけどその質は千差万別。
今っぽさも、抜群のシルエットも、コーディネートを格上げする風格も。
その全てを兼ね備えているこのコートなら、満足度も格別です。