限定30足のスペシャリティ

Parabootが商標登録されたのは1927年。
フランス・ヴォアロン地方の靴職人レミーが滞在先のアメリカで入手した１足のラバーで覆われたブーツを手にする。
そのブーツとともにフランスへ帰国したレミーが、ブラジルのパラ（PARA）港から直輸入されていた天然ラテックスを底材に使用した靴を思いつく。

そして生まれたのが「Paraboot（パラブーツ）」だ。

日本でも絶大な人気を誇るパラブーツ。
あまりの人気にファッションアイテムだと思っている方も多いのではないだろうか。
でも実はワークシューズとして消防士や軍人に支持されてきた由緒あるフランスシューズなのだ。
それは、北極探検家のポール・エミール・ヴィクトール氏ら冒険家たちにも愛されるほど。

パラブーツは、もともとムーンロイドで取り扱いを行う前から僕も履いていた。
日本人の足にもよく合い、丈夫で履きやすい。
それでいて、デザインはフランスらしくどこか上品。
ドレスシューズまでは必要ない。
ただ、スニーカーよりは少しフォーマルな雰囲気で合わせたい。
そんな時に大活躍する、バランスの良い"本物"だ。

そんなパラブーツの中でもスペシャルなモデルが、このNANTES(ナント)。
全サイズ合計で、日本限定30足の超希少モデルだ。
当たり前だが、日本全国でも手にすることができるのはわずか30名。
マイサイズがあれば、まず手に入れておきたい。

ベースとなったのは、パラブーツの定番ローファーとして愛されているREIMS(ランス)。
太いモカシンで縫製されているのだが、甲の付け根を強靭に縫いあげるため全てを手作業で行っている。
長く楽しめる、丈夫なローファーだ。
アウトソールは厚く、ボリュームがある。
かかとは浮きにくいように、履き口が深く、独特な角度で仕上げている。
防水性の高いのルウィージャン製法は、もはやパラブーツの代名詞の1つでもある。

ここまでヘビーなテイストを持ったローファーは世界中他にはない。
フランスらしい上品な雰囲気と、アメリカらしい頑強さを合わせ持つ唯一無二のローファーだ。

そしてこのNANTESは、アッパーにストックレザーを使用したスペシャリティ。
スムースレザーやスエード、ヌバックとカラーだけでなく質感も違うレザーを組み合わせている。
派手過ぎず全体のトーンが落ち着いているから、クレイジーパターンでも合わせやすい。
こういう色の組み合わせって、それぞれの国で全く違う。
この絶妙な色彩感覚はフランスならではだと思う。

内側はアンライニング。
軽やかな履き心地で、オールシーズン快適に過ごすことができる。

ソールに使用したラバーは25%がリサイクルラバー。

限定30足のNANTESは、ブランドファンも、そうでなくても、所有欲がくすぐられるスペシャリティ。
気取らずとも、いつものパンツにサラリと合わせるだけで極上のコーディネートが完成する。